公開特別講座

「演奏家のための 音楽修辞学」

2024年2月16日(金) 

13:30〜19:00

記念すべき鵠沼音楽アカデミー最初の特別講座は、日本語で語られることがとても少ない「音楽修辞学」。古代ギリシャから存在し、古代ローマのキケロに代表される弁論家の弁論術に通じる学問であり、当時は学を志す人物には必須であった修辞学。
そこから音楽の表現方法として生まれた音楽修辞学はクラシック音楽の重要なレパートリーであり、音楽学生が必ず取り組むバッハ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルト彼らが生きていた時代には当たり前の知識であり、語法であった表現方法。そしてその後に続くブラームスから20世紀の作曲家まで、古典を学んだ作曲家が持っていた感覚を学ぶ、感じ取るために有用であり重要な知識です。日本に西洋音楽が輸入された当時、ヨーロッパでも「修辞学」の概念は薄れていて、同時に伝えられなかった分野だと読んだことがあります。僕も日本では(おそらく)聞いたことがありませんでした。楽譜に書かれていないこともある、行間を読みなさい等、音楽を勉強した人は言われたこともあるかと思いますが、実は楽譜には書かれていて、ただそれをどのように認識するかという問題だと思います。
今まで接していた作品に、また新たな視点で取り組むことができる可能性を得ることができる講義になることと思います。おそらくその入門編になります。外国語の書物はいくつかありますが、日本語で、しかも実際の楽曲の例も取り上げられる講義は貴重です。僕が一番日本に根付いていないと思った知識(もちろん現代ヨーロッパで当たり前なわけでもありませんが)、それ故アカデミーの構想を練り始めた当初から望んでいた講座です。学生も、プロも、音楽愛好家も、また音楽を専門としていなくとも歴史に興味のある方たち、是非多くの方にお聴きいただきたいと思います。みなさまのお越しをお待ちしています。(鵠沼音楽アカデミー講師:白井圭)

講師:有田 正広(ありた まさひろ)

©︎Rika Takei

音楽作品を演奏するための幾つかの条件の中に「音楽修辞学」があります。それを学ぶ事で、音符の裏に潜む作曲家のイメージ、意思、メッセージを読み解くことが出来ます。謂わば、音楽修辞学は音楽の中枢に位置する大切な「生きた理論」の一つ。ここから具体的な表現方法を見つけ、実践することが目的です。

有田 正広

プロフィール(▶︎で続きを読む)

1972年、桐朋学園大学を首席で卒業。同年、第40回NHK・毎日音楽コンクール(現・日本音楽コンクール)で第1位を獲得。 翌年、ベルギーのブリュッセル王立音楽院に留学。74年からはコレギウム・アウレウムのメンバーとして、ヨーロッパ、日本などで活動。

5年、王立音楽院をプルミエ・プリで卒業。同年、ブルージュ国際音楽コンクールのフラウト・トラヴェルソ部門で第1位となる。77年、オランダのデン・ハーグ王立音楽院に入学、半年で最高栄誉賞つきソリスト・ディプロマを得て、卒業。帰国後も、フランス・ブリュッヘン指揮「18世紀オーケストラ」、クイケン兄弟、トレヴァー・ピノック指揮「イングリッシュ・コンサート」など、内外の名手たちとも盛んに共演。ルネサンスから現代に至る400年間に変遷を遂げたさまざまなフルートを駆使する演奏は、有田ならではのもので、さまざまな時代の作品に輝かしい光を与え、人々を魅了しつづけるアーティストとして高い評価を得ている。 ・・・プロフィール(AMATI)

助演:宮戸美晴(フルート奏者)

会場:レスプリ・フランセ ( Googleマップはこちら )

  • 一般:2500円、学生:1000円
  • サポーターズクラブ:1000円
  • 第2回鵠沼音楽アカデミー応募者:500円

定員:40名 おかげさまで定員に達したため、お申し込みは締め切らせていただきました。たくさんのお申し込み、ありがとうございました!(2024.2.15)

オンライン配信

レスプリ・フランセ主催により、オンライン同時配信および10日間限定配信があります。配信は2月25日に終了いたしました。ご視聴ありがとうございました。(2024.2.27)

  • 一般:4000円